豪華アーティスト陣によるファイナル・コンサート、そして閉幕へ

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日曜日の夜、音楽祭を締めくくる最終公演は、ワルシャワ、ウィーン、パリにおけるショパンの歴史的コンサートの演目を一挙に90分間の長さにわたって再現するというコンサート。ひとつのコンサートに多数の出演者が登場するという華やかさは音楽祭ならではの楽しみ。ベレゾフスキー、ペルチャッコ、エル・バシャ、ジュシアーノ、カプスシク、ゼスポール・ポルスキらがカーテンコールにずらり。
客席はほぼ総立ち。テレビの中継も入り、熱狂の内に音楽祭は幕を閉じました。

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公演が終わると、あっという間に人が会場からはけていきます。これまでの賑わいがウソであるかのようにみんな急いで帰宅モードに。お祭りの終わりって唐突にやってくるんですよね。日本から取材に訪れたジャーナリストのみなさんも集合して「おつかれさまでした」の挨拶。
もう終わりか、長かったような短かったような......。はっ。いやいや、違います! 終わるんじゃなくて、私たちのお祭りはこれから始まるんです。
5月の東京へ。「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」が待っています!

美しき歌姫との出会い

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ラ・フォル・ジュルネにはいつも驚きと喜びが溢れています。オルガ・ペルチャッコは、今年最高の輝きを放った音楽家の一人です。驚くべきコロラトゥーラで、聴衆を一瞬にしてとりこにしました。サンクトペテルブルクに生まれ、現在はベルリン在住。ベル・カントを身上とする彼女は、ロッシーニとドニゼッティ、ベルリーニのオペラ・アリアを歌いました。インタビューでは、ショパンのなかに息づくベル・カントの美質について話してくださいました。5月の日本でもその美しい歌声を披露。ラ・フォル・ジュルネへの参加が初来日となりますのでご注目を。ちなみに7月、エクサン・プロヴァンス音楽祭には、大野和士の指揮するリヨン国立歌劇場とともに登場します。

あっ、ショパン発見!

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さて、この絵は何でしょう。ショパンを描いた「ラ・フォル・ジュルネ」のポスターと同じ構図ですが、タッチが少々違うというか、かなり手描きっぽい感じです。
これは会場のシテ・デ・コングレ近辺にあるレストランのウィンドウに描いてあった絵。このお店、たしか一昨年はやっぱり同じタッチでシューベルトのポスターを模写していたような記憶が(去年はどうだったの?)。オフィシャルに協賛しているお店なのか、勝手に応援しているだけなのか知りませんが、なんだかシャレてますよねー。街全体で盛り上がってる感じが伝わってきます。

ショパンのお葬式

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ショパンを悼む。南無~(とは言わないか)。前の記事でも触れられているコルボさん指揮による「ショパンの葬儀」に行ってきました。プログラムはモーツァルトの「レクイエム」他。えっ、ショパンの曲じゃなくて? 実は、ショパンは自らの葬儀ではモーツァルトのレクイエムを演奏してほしいと遺言を遺していたのだとか。今回の演奏会はその再現なんですね。しめやかに執り行われました(って言えばいいのかなあ?)。

音楽祭の顔、ミシェル・コルボさん

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ラ・フォル・ジュルネの顔のひとり、ミシェル・コルボさんは、テーマがショパンの今年も素晴らしい演奏で音楽祭を満たしています。ふたつのプログラムを指揮されていて、ひとつはメンデルスゾーンの大作「パウルス(聖パウロ)」、もうひとつはモーツァルトの「レクイエム」をメインとする「ショパンの葬儀」というコンサートです。共演は、シンフォニア・ヴァルソヴィアとローザンヌ声楽アンサンブル。コルボさんにインタビューすると、私はやはりバッハやメンデルスゾーンを通じてショパンに出会っている気がします、と穏やかに語っていました。

ショパンは心からの友人

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ブルーノ・リグットは青年時代から天才的なショパン弾きとして知られていましたが、現在はさらに内省的に表現を深めた素晴らしい演奏で、聴衆を静かで熱い感動へといざないました。シューマンの『子供の情景』とショパンという得意のプログラムでのリサイタルに加え、ショパンの協奏曲第2番をルーベン・ガザリアン指揮ヴュルテンブルク室内管絃楽団と共演しました。30日の協奏曲コンサートでは、熱烈なアンコールにこたえて、第2楽章がふたたび演奏されましたが、客席の拍手はいつまでも鳴りやまないほど。インタビューでも温かな言葉で、サンソン・フランソワに師事した若き日々のことや音楽における自由の意味について率直に語ってくれました。「ショパンはなんでも打ち明けられる友人」と、リグットさんは言います。今回のナント出演は急な依頼にこたえての初参加とのことで、数多くのコンサートのなかでも、ショパンの真実の声が聞こえるようなブルーノ・リグットの演奏はひときわ深く心に刻まれました。

おや、このポスターは?

ある会場の壁にこんなポスターが貼ってありました。

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おお、これは1995年ナントでの「ラ・フォル・ジュルネ」のポスターではないですか。テーマはモーツァルト。今とずいぶんテイストが違います。

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こちらは1997年のシューベルト。シューベルトは一昨年も取り上げましたね。

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この3人組は誰でしょう? 1999年のポスターです。左から、ベルリオーズ、フォーレ、ラヴェルでしょうか。
最近の「ラ・フォル・ジュルネ」のポップで鮮やかな洗練されたポスターと比べると、90年代のポスターはかなり手作り感がありますね~。思わぬところでレア・アイテムを発見いたしました。

「私たちはバッハへの尊敬で繋がっている」シャオメイ・シュ

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シャオメイ・シュさんは、バッハを深く敬愛してやまない音楽家です。前回のラ・フォル・ジュルネでは、独特のアプローチでゴルトベルク変奏曲などを演奏されたので、ご記憶の方も多くいらっしゃるでしょう。西洋の方は老子を、東洋の方はバッハをかならず学ぶとよいでしょうね、と昨年の来日の折に語っていました。さて、今年のテーマはショパンですが、彼女はやはりバッハとともにプログラムを組んでいます。

たまたま通りかかったところを呼びとめて、短いインタヴューをお願いすると、快く応じてくださいました。「今年はパリのシャンゼリゼ劇場でのコンサートの準備と重なってしまい、日本にうかがえなくてとても残念です。みなさんに忘れられてしまうのではないかしら?」とシャオメイさん。「ショパンの作品を理解し、演奏することはとても難しいけれど、バッハへの尊敬とその音楽の研究を通じて、ショパンと私には接点がある」と語っていました。

趙静さん、ショパンのチェロ・ソナタを弾く

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ショパンの貴重な室内楽に、ピアノとチェロのための名作があります。趙静(チョウ・チン)さんが、ピアニストのクレール・デセールと、ショパンのチェロ・ソナタを含むコンサートを終えてまもなく、インタビューにやってきてくれました。
「ショパンはピアノでいかに歌えるかということを探求しましたが、息の長いメロディーをうたうには、弦楽器、しかも人間の声に近いチェロがいかにもふさわしかったのでしょう。もちろん、友人のチェリストの存在が、このチェロ・ソナタの創作をうながしたことも重要です。ナントの音楽祭で、彼の名前は450席の会場名として掲げられています。ショパンの演奏では、内に潜めた感情を自然に表現しなければいけない」と趙静さんは静かに語りました。

ショパンとヴィルトゥオーゾ

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こちらは「ショパンとヴィルトゥオーゾ」と題された演奏会。ナントのシテ・デ・コングレのなかでは最大の1900席のホールで開かれました。ボリス・ベレゾフスキのピアノでリストのピアノ協奏曲第2番、テディ・パパヴラミのヴァイオリンでパガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番「鐘」(リストの「ラ・カンパネラ」の原曲ですね)。どちらも「これでもか」というくらい、ソリストが名人芸を発揮。ディミトリ・リス指揮ウラル・フィルとともに熱演してくれました。
この演奏会にはテレビ中継が入っていました。スゴいです、演奏中、舞台の上を手持ちカメラを持ったカメラマンがうろうろ。ティンパニの真横まで寄っていって、撥の動きをアップでとらえる、とか(それおもしろいのかなあ)。カメラマンは静かにそっと移動してくれているとはいえ、足音がミシミシ聞こえることも。日本だと苦情が出そうですが、当地ではみんな気にしていない模様。

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