タタルスタン&ジェニエ君のラフマニノフ劇場

タタルスタン国立交響楽団......初めて耳にするオーケストラの名前です。それもそのハズ!マルタンさんがイチオシの楽団として日本に初めて紹介してくれたオーケストラなのであります。

タタルスタン?さてどこでしょう...という方。ロシアの西の西の方...とイメージしてもらえるといいかもしれません。かくいうブログ隊員も、思わず地図で調べてしまいました。

彼らが出演の本日のラフマニノフのピアノ協奏曲第3番のコンサートを聴いてきました。ソリストは、これまた注目の若手、レミ・ジェニエさん。ピアノ界では注目のエリザベート国際コンクールで第2位に輝いた実力派。だけれど、巻き毛で、どこか少年っぽさを残した姿、端正な音楽作りに、う〜ん瑞々しさを感じます!

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「リハーサルの時は、客席に人がいなくて巨大なホールにびっくりしたけど、お客さんが入ってからはそんなこと感じなくなりました」と、終演後にほっとした笑顔。

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そしてタタルスタンの音色はといいますと......
(勝手に、なぜか勝手にイメージしていた、野性的な印象はどこにもなくて!)、とってもきめ細やかで、コントラストに飛んでいて、音楽の膨らみに応じて伸縮自在に音の厚みが変わります!! 嗚呼、ラフマニノフの浪漫が、歌が、革新的なハーモニーが、それはそれは見事に紡ぎ出されていくのであります!!

楽章間、ホールAの巨大モニターに映し出された指揮者のスラドコフスキーさんの鋭い眼力、そしてフッと現れた笑顔、そして大きく厚みある背中にロシアの男を見ました!ああ、その二の腕にぶら下がってみたい!

...は...取り乱しました。失礼しました。

とにかく、もっとタタルスタンの音楽は堪能したいところ。まろやかな木管のアンサンブル、ダイナミックな金管のハーモニー、そして女性も大勢の弦楽器セクション、とても調和のとれた響きにうっとり...しかし、今年はもうこれで彼らの公演はおしまい(涙)。ああ、私も金沢のLFJに付いていきたい...。

彼らは全員正装。男性はタキシード、女性も全員お揃いのドレス。きりっと美しい皆さん。舞台袖で見とれていたら、お写真を撮りそびれてしまった...

しかし、マエストロは呼び止めました!スラドコフスキーさん!

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優しく温かい笑顔。
すぐに金沢LFJにご移動とのことで、インタビューは叶いませんでしたが(涙)、関係者のお話によりますと、スラドコフスキーさんはもともと軍隊(!)のご出身で、音楽に目覚め、モスクワ音楽院に入り直し、そして現職に就かれたとのこと。それで、あの立派な背中・鋭い眼光!ガッテン、ガッテン。でも、音楽作りはきめ細かいのですよね。そのギャップも...素敵です☆ また聴けるといいな、タタルスタン♪

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