アウトリーチコンサート現場ルポ

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何やら怪しげな球体。

実はこれ、小学生に生のクラシック音楽と触れ合ってもらうための、アウトリーチコンサートの仕掛けの一つなのです。
ラ・フォル・ジュルネでは、人気を博しているキッズ・プログラムをはじめとして、子供達を対象とした音楽教育活動を積極的に行っています。その出張版ともいえるのが、このアウトリーチコンサート。今回は千代田区立昌平小学校で行われたアウトリーチコンサートに潜入。LFJのテーマであるバッハをメインに、音楽の構造=アンサンブルについて、二日に渡るワークショップが開催されました。

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内容は小難しくとも、子供達に分かりやすくレクチャーするべく、耳だけではなく目や体も使います。音程の高低は手(と体)の上下運動で体現。

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名曲「小フーガ ト短調」では、テーマ(主旋律)を奏でる楽器を聴き取ります。
ここで先ほど紹介した球体が登場。楽器ごとに色を決め、テーマが出て来たらその楽器の色の球体へ移動する、というゲームです。うーむ、これはなかなか難しいぞ。

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子供達、集団大移動。

合間合間に挟まれる子供達の意見も個性豊か。「指揮者がいないのに、どうやって合わせて演奏しているか分かるかな?」という問いに対して、「お互いの音を聴いて」、「体の動きを見て」、「呼吸を合わせて」、更には「カン」というツワモノも。音楽だけではなく、「考える」という力も引き出される授業になりました。

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最後はみんなで、エルガーの「威風堂々」をリコーダーで合奏。指揮者がいなくても、この時間で学んだ「アンサンブル」のおかげで、みんなの呼吸はピッタリと合いました!

いつもはCDで聴いている音楽、演奏する姿を目の当たりにして、「やっぱりCDで聴くのと迫力が違う」、「動きが見えるのが面白い」と、子供達は大満足。この後5月1日に、子供達はLFJの公開リハーサルを見学、そして会期中には本公演に招待されています。生のクラシック音楽の素晴らしさを発見した子供達、そこでも良い発見があるといいですね。

「悲しいときでも、音楽を聴くと元気になる」
うん、正にその通りです!

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