凛とした響き

 外は朝で明るいのに、コンサートホール内は真っ暗で、僅かな照明のみがピアノとピアニストを照らしています......。

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 中堅ピアニストとして活躍されているフローラン・ボファールさんの演奏を聴いてきました。リスト、シェーンベルク、そしてブラームス。このまったくタイプの違う作曲家の3作品というのは、非常に興味深いプログラム。

 ずしりとした音かと思えば、ころころとした軽やかな音、繊細でしっとりとした音など、これだけじゃなく、もっともっとたくさんの音の響きの表現が作曲家ごとに、曲ごとに違っていて、あまりの見事さに大感激。どこか主張するような一本の筋が通った演奏がとってもステキ。とくにシェーンベルク作品は最初の音から心が掻っ攫われてしまい、ふと気づいたらどんどん気持ちが作品にのめり込んでいました。

 終演後に写真を撮らせてもらった際、シェーンベルクの演奏が特にすばらしかったと伝えたら「シェーンベルクの作品(3つのピアノ曲 op.11)は本当に美しい曲だよね。うん、とっても美しい」とボファールさん。いや、ほんとに、演奏を聴いてそう思いました。
 朝からなかなか濃ゆ~いリサイタルでした!

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