エル=バシャさん、エスプリについて語る

こちらホールD7(メーテルリンク)
halld7.jpgラヴェルの『高雅で感傷的なワルツ』『クープランの墓』を演奏されたのは、アブデル・ラーマン・エル=バシャさん。今回のLFJ東京ではラヴェルのピアノ・ソロ作品全曲演奏を行なっています。

精密なガラス細工を彷彿させるようなクリスタルな音色、軽さを保ちながら絶妙なタイミングでコントロールされるペダル、全ての声部がくっきりと聴こえるバランス感覚(クープランの墓 2.フーガの素晴らしさ! 3.フォルラーヌや 5.メヌエットに控えめに現れるポリフォニーの精巧さ!)そして、昨年のピンポンパンポン・プロコフィエフ顔負けの超絶技巧...脱帽でした。
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終演後に、「フランス音楽におけるエスプリとは何ですか?」ときいてみました。
「そうですね、フランス音楽におけるエスプリとは、『洗練さ raffinement』『軽やかさ légèreté』ではないでしょうか。そして魔法のようなすばらしさ merveilleとも言えるのではないでしょうか。ラヴェルに関してはそういったエスプリに色彩が加わります。すべての色のパレットがそこにあるのです。そしてラヴェルの音楽は狂いのない正確さを持っています。」
エル=バシャさん、素晴らしい演奏をありがとうございました!
感動のあまり、エル=バシャさんの後ろ姿しかお写真におさめられず残念・・・。またの機会を狙ってカメラにおさめたいと思います。

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