ピアニスト、小菅優氏に突撃インタビュー!

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 5月6日10:00~、ヨーロッパ在住の若手ピアニスト・小菅優(こすげ ゆう)氏の弾く、ピアノ・ソナタ3曲を聴いてきました!朝イチで早い時刻の開演にも関わらず、770席のB7ホールは満席!

プログラム
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 K.282
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第5番 ト長調 K.283
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331「トルコ行進曲付」

赤いドレスをまとった彼女が舞台に現れた瞬間、筆者を含め、会場の聴衆が皆、そのオーラにのみ込まれたようでした。「この人は今からどんなモーツァルトを魅せてくれるんだろう?!」と、一気に膨らむ期待。3曲のソナタが短く感じられたのは、それだけ集中して聴き入っていたからだと思います。素晴らしいステージでした。

 終演後、やはりここは突撃インタビュー!演奏直後でお疲れのところをお邪魔してしまいましたが、楽屋に通していただいたおかげでゆっくりとお話を伺うことができました。


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(↑)大きな窓から自然光の差し込む楽屋にて。

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E.M. : まず、演奏を終えてひとこと、お願いします!
小菅氏 : 気持ちよかったです!自由に弾けました。お客さんもいい感じでした。早朝なのに大勢いらっしゃっていてビックリしました。日本の聴衆は静かですね。(←会場で鳴った携帯電話の着信音は、ご本人まで届いていなかったようで、安心しました。)
E.M. : この音楽祭に出演して、ふだんのコンサートと違うところはありましたか?
小菅氏 : たくさんお客さんがいらっしゃいますし、お祭りみたいで雰囲気も良く、アーティスト同士の交流もできて良いですね。遠足みたいで楽しいです。
E.M. : 今日は朝早くて大変だったでしょうね。
小菅氏 : ヨーロッパでも一番早くて11時に開演なので、こんなに早いのは今までになかったです(笑)。
E.M. : (笑) 今朝は朝食に何を召し上がりましたか?
小菅氏 : ごはんとお味噌汁・・・それにシャケを食べました。典型的な日本の朝食ですね。
E.M. : おお~、それはホテルで?
小菅氏 : いえ、自宅です。実家が東京にあるんです。
E.M. : そうなんですか!それはいいですね。
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E.M. : ドイツで長く勉強されている日本人である小菅さんの演奏を日本で聴けることは、聴衆の皆さんにとってとても嬉しいことだと思うのですが、ご自身ではどうお考えですか?
小菅氏 : もちろんドイツで勉強することで受けた影響もありますが、それだけではなく、日本からの影響もあります。例えば、音と音のあいだ・・・
E.M. : "間(ま)" ですか?
小菅氏 : そう、"間"など、日本独特のものの影響も大事です。”ヨーロッパの音楽”、だけが良いとは限りません。
E.M. : 確かに、日本特有のものってありますよね。ところで今回の音楽祭では、いろんなピアニストの方が「トルコ行進曲付きソナタ」を演奏していますが、小菅さんにとってこの曲とはどんなものか、思い入れがあったら聞かせてください。そういえば、プログラムに書かれていた曲順と変更して演奏されましたよね?
小菅氏 : ええ。作曲年代順の方が良いと思ったので。トルコ行進曲はよく知られていますしね。この曲に対しては、小さい頃から弾いていましたが、感じ方が変わってきています・・・愉快なものではなく、なにかパロディ的なところがあると思っています。一楽章にはモーツァルトの母親による子守歌が入っていますし、3楽章は、モーツァルト自身、自分が本当は辛いにもかかわらず、それを皮肉っているような気がします。moll(短調)だし♪「後宮よりの逃走」のトルコの打楽器の音をイメージしたりします。
E.M. : なるほど!よく分かりました。どうもありがとうございました!また聴かせていただけるのを楽しみにしています!

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 私もピアノを弾く同年代の女性として、彼女の落ち着きや、イマジネーションの豊かさ、思慮深さなど、とても刺激になりました!
(E.M.)

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