「死と乙女」を聴く

254席のテレーゼグローブは、ほぼ満席。比較的年齢の高めのお客様で、じっくりとシューベルトの弦楽四重奏を聴いてみようという期待感に包まれた空気を感じました。

505_prazak1.jpg開演前の風景をパチリ。以前ドイツ ミュンヘンに旅行に行ったときお城の中の室内楽のコンサートを行ったときと同じイスの並びでした。(部屋が長方形というせいもあるのかも)
第一楽章の印象的なメロディーが曲が進むにつれて変化しながら、3種類の弦楽器のやりとりは、演奏家と聴衆の距離をグングンと狭めていました。特に最後の楽章では、身を乗り出しているご婦人がいらっしゃいました。

みんなが楽しみにしていたアンコールについてファースト・ヴァイオリン氏より発表。「ハイドンの作品20−6」と言って、さて弾こうと思った瞬間、チェリストがもたもた・・・。どうやら譜面を忘れてしまったようです。機転を利かせて、「シューベルトをもう一度弾いてもよいでしょうか?」。「死と乙女」の第3楽章を演奏しました。

505_prazak2.jpgプラジャーク弦楽四重奏団の写真を一枚ご紹介。「ただいまの公演についてのご感想は?」とおたずねしたところ、「集中して弾けました。とても楽しかったですよ」。
約1時間を共にした演奏家と聴衆は堅い絆で結ばれています。その証拠にレポーターインタビュー中に集まってきた聴衆の皆さんから彼らに向けて温かい拍手がわき上がりました。公演担当スタッフの方が「優しいお客様ですね。こういうの初めてですよ」。

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