七人の音楽家が集う七重奏、それは様々な楽器が集まった、不思議な編成。
そんな編成で一番有名と言っても過言ではないのが、ベートーヴェンの初期の傑作と名高い七重奏曲変ホ長調でしょう。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、クラリネット、ファゴット、ホルンという楽器の見本市のような編成ですが、いざ一斉に音を鳴らすと、まるで小さなオーケストラのような音がするのです。
ザ・娯楽音楽の真骨頂。
今回演奏いただいたルードヴィヒ チェンバー プレイヤーズは、シュトゥットガルト放送響コントラバス奏者の弊隆太郎さんの呼び掛けで集まった精鋭達。
とても和気あいあいとしている中、奏でる音は巨匠の風格漂います。ベートーヴェンのお気楽さの中に潜んだシリアスさ、ちょっと媚びるような作風に忍ばせた皮肉さを、七人の名士たちが確固たるテクニックで描き出してくれました。皆さんまだお若いだろうと思われるのに、脱帽です。
バックステージにて、仲良くパシャリ。
ルートヴィヒ チェンバー プレイヤーズは、明日は弦楽五重奏にて登場です!
LFJではこの10年で、レクイエムをはじめとする宗教音楽を数多く取り上げてきましたが、このプログラムとこの御大を楽しみにしていらっしゃる方も多いかと思います(私もその一人)。ミシェル・コルボさんによるフォーレのレクイエムに誘われ、音楽の川で心の洗濯へ!
厳かな雰囲気はもちろんの事、ローザンヌ声楽アンサンブルの美しい声にはただただ息を呑むばかり。声楽ってどちらかと言えばオペラなど生々しいものが先行しがちですが、こうしてちょっと神の領域へ足を突っ込んじゃうのもオツですね。
カーテンコールを見守るコルボさん。自愛に満ちた後ろ姿が、思わず拝みたくなります。
ソリストのシルヴィ・ヴェルメイユさん、ファブリス・エヨールさんと。
疲れた心に染み入る音楽を、ありがとうございました!しっかり洗わせていただきました。