先ほどのギターのコンサートに続き、今度はオーケストラでも日本の作曲家・武満徹さんの作品が演奏されるというので行ってみました。オーケストラはLFJでおなじみのリス指揮ウラル・フィルです。

曲は「系図--若い人たちのための音楽詩ー」。少女によって朗読されるのは谷川俊太郎さんの詩です。この作品も1992年のニューヨーク・フィル創立150周年のために作曲されて、ニューショークで初演されたんですね。ということで、「アメリカ」なわけです(やっぱりちょっと強引?)
さて、ここはナントですから、朗読はやっぱりフランス語。フルール・モナルールさんという、まだ芸術学校に通う若手女優さんが担当されました。ふわりとしたフランス語の響きが、この詩の内容とよく合っていて、なんとも素敵でした!
ところで、武満に続いて演奏されたのは、バーンスタインの「ウェスト・サイド・ストーリー」の『シンフォニック・ダンス』。この公演、学童たちがたくさん客席にいたんですが、もう彼らノリノリ!ちっちゃい子はもう、ガマンできないとばかりに、客席で踊り狂ってました。

80席の小さなお部屋で、ミシェル・グリザールさんというギタリストのコンサートが開かれていました。

ガーシュウィンやカーターのナンバーと並べて、武満徹のギター作品「すべては薄明の中で」も取り上げられました。
この曲は、イギリス人のギタリストが武満徹さんに委嘱し、ニューヨークで1988年に初演されたんですね。
というわけでの、アメリカつながり(若干強引?)
それはさておき何度聴いても素敵な曲です。
密やかなギター・リサイタルなのに、数分遅刻してしまったワタシを、なんとナントのスタッフさんは、演奏中にも関わらず(!)どうぞどうぞと中に入れてくれちゃうんですね。 なんと寛大なんでしょう! 会場はもともと会議室なので、外の音も微妙に入ってくるお部屋なんですが、お客さんはみんな集中して音楽に浸っています。おおらかなんだなぁ。こういう雰囲気もまたナントの音楽祭の素敵なところですね。
日本でも大人気のビジャーク姉妹が、朝から登場。
見目麗しいお二人がバーバーとバーンスタインを演奏するというので潜入!

バーバーと言えば、映画『プラトーン』などでも使用された「弦楽のためのアダージョ」が有名ですが、ビジャーク姉妹が披露してくれたのは「4手のための組曲『思い出』op.28」。愛らしく、どこかコケティッシュなワルツやパ・ド・ドゥ、タンゴなどがチャーミングな連弾で披露されました。
続いてコンロン・ナンカロウというアーカンソー州生まれの作曲家、トーマス・アデス編のエチュード第7番。点描的な音の動きがが2台のピアノを行ったり来たり。なんとも知的で、聴き入っていると、だんだん興奮してくるから不思議。
そして、待ってました!バーンスタインの『ウェスト・サイド・ストーリー』、2台ピアノバージョン! これはジョン・ムストという人の編曲だそうです。
ほら。ピアノって、弾く人によって全然音色が違いますでしょう? ビジャーク姉妹のお二人は、なんといってもそのカリッとした響き、クリアなアタックが特徴的ですが、そんな二人のクールな音色が、このバーンスタインの音楽にとってもマッチ。
「プロローグ」ではあの"指パッチン"も入るんですよ。手が汗ばんでたり、乾きすぎていてもいい音が鳴らないと思うんですけど、よく響くパッチンを抜群のポイントで鳴らしてくれました。すごいな〜(と、妙なところに感心)。
「クール」では譜面台でリズムを打つ場面も。「マンボ」や「チャチャ」では、頼む、踊らせてくれ!と身体がうずくようなキレキレの演奏!
いやぁブラボー。朝から気分はすっかりアメリカン・モードに!







