耳から味わう旅気分! 名曲から珍曲までをチョイスしためくるめく3日間

飯田有抄(クラシック音楽ファシリテーター)

5/3 (金・祝)

Morning
161 10:00〜

Voyage sur l’eau 水上の旅

[曲目] ビゼー:ラインの歌
アルベニス:旅の思い出 op.71 から 海にて(バルカロール)
ショパン:舟歌 嬰ヘ長調 op.60
スメタナ:モルダウ(福間洸太朗編)

[出演] 福間洸太朗 (ピアノ)

初日の朝一は、爽やかなピアノの音色からスタート。 人気のピアニスト福間洸太朗さんの演奏で、ショパンの舟歌、福間さん編曲のスメタナのモルダウなどの名曲を、みずみずしい演奏で楽しむ。 水辺の旅気分からいざボヤージュへ出発!
Afternoon
14415:00〜

[曲目] フロレンツ:交響詩「クザル・ギラーヌ(赤照の砂漠)」op.18
ブルッフ:スコットランド幻想曲op.46

[出演] 梁美沙[ヤン・ミサ] (ヴァイオリン)
ウラル・フィルハーモニー・ユース管弦楽団 (オーケストラ)
エンへ (指揮者)

毎年LFJで勢いのある演奏を聴かせてくれるウラル・フィル。ことしは「ユース」の登場?! これはぜひとも応援マインドをもって駆けつけたい。 フロレンツの「クザル・ギラーヌ(赤照らの砂漠)」は、壮大な異国の景色をオーケストラ・サウンドで味わうことのできる作品。 ブルッフのスコットランド幻想曲は叙情的で歌心も溢れる。知名度こそパッとしないかもしれない(?)プログラムだが、内容的にはとびきり楽しめそうな公演だ。
Evening
11621:15〜

[曲目] シャブリエ:狂詩曲「スペイン」
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.35

[出演] 神尾真由子 (ヴァイオリン)
タタルスタン国立交響楽団 (オーケストラ)
アレクサンドル・スラドコフスキー (指揮者)

なんと神尾真由子さんがLFJ初登場!力強くもつややかな神尾さんの音色なら、チャイコフスキーの協奏曲は胸に迫る演奏になること間違いなし。 スラドコフスキー指揮タタルスタン国立交響楽団は、凛々しくノーブルなサウンドが魅力。両者の掛け合いにも期待が高まる。

5/4 (土・祝)

Morning
2219:30〜

Jumala ユマラ

[曲目] 仏トゥールを拠点に活動する合唱アンサンブル「ミクロコスモス」。 クラシックの域を超えたオリジナリティに富んだ舞台を提供し続ける彼らと、世界的太鼓ソリスト・林英哲のコラボレーションによるプログラム。 北欧神話に登場する、楢と関係の深い神「ユマラ」、舞台中央の太鼓を楢の木に見立て、その周りを巡る歌手たちが惑星を表現します。

[出演] ミクロコスモス (合唱)
林英哲 (太鼓)
英哲風雲の会 (太鼓ユニット)
ロイック・ピエール (指揮者)

未知なる響きとの出会い、これぞLFJの醍醐味だ。 二日目の朝は50名の合唱「ミクロコスモス」の神秘的な歌声と、英哲風雲の会の和太鼓が織りなすアンサンブルで、これまでに一度も耳にしたことのない音に包まれながら感性を刺激したい。
Afternoon
23314:00〜

[曲目] ペルト:何年も前のことだった
ペルト:7つのマニフィカト・アンティフォナ
ペルト:スターバト・マーテル

[出演] ヴォックス・クラマンティス (合唱)
ヴォックス・トリオ (室内楽)
ヤーン=エイク・トゥルヴェ (指揮者)

静謐な美学をもったペルトの音楽を聴き、ここで耳をすこし安らげたい。 いや、むしろその美しい緊張感ゆえに、精神はどんどん覚醒してしまうかも?!
24517:00〜

[曲目] フォーレ:パヴァーヌ op.50
フォーレ:ピアノと管弦楽のためのバラード 嬰ヘ長調op.19
ドビュッシー:ピアノと管弦楽のための幻想曲

[出演] ジャン=クロード・ペヌティエ (ピアノ)
ジョナス・ヴィトー (ピアノ)
シンフォニア・ヴァルソヴィア (オーケストラ)
ミハイル・ゲルツ (指揮者)

フランスのハーモニーの美しさに浸りにいく。 ドビュッシーの若き日の作品、ピアノと管弦楽の幻想曲は、ローマ留学時代に書かれた作品。 ドビュッシーにとって留学はホロ苦い経験でもあったようだが、書かれたさ作品はとても美しい。 ペヌティエさんのピアノでじっくりと鑑賞。
Evening
25720:00〜

[曲目] ストラヴィンスキー:3つの日本の抒情詩
ドラージュ:インドの4つの詩
ベリオ:フォーク・ソングズ

[出演] ラケル・カマリーナ (ソプラノ)
フィリップ・ベルノルド (フルート)
白戸美帆 (フルート)
浅原由香 (オーボエ)
ニコラ・バルデイルー (クラリネット)
北岡羽衣 (クラリネット)
シルヴァン・ブラッセル (ハープ)
ギュイ=ルー・ボワノー (パーカッション)
大場章裕 (パーカッション)
アキロン・クァルテット (室内楽)
マリー=アンジュ・グッチ (ピアノ)
ヨアン・エロー (ピアノ)

この日の夜は、歌で締めくくろう。曲目はユニークなラインナップ! ストラヴィンスキーの「3つの日本の抒情詩」を、カマリーナさんのソプラノでぜひ聴いてみたい。 ベリオの世界中の民謡を集めたという「フォーク・ソングス」も気になる作品だ。

5/5 (日・祝)

Afternoon
34212:00〜

[曲目] 矢代秋雄:交響曲

[出演] 新日本フィルハーモニー交響楽団 (オーケストラ) 井上道義 (指揮者)

日本の作品の公演も、タイムテーブルのどこかに必ず組み込みたい。 今年は矢代秋雄の交響曲を聴こう。カップリングはなく、この一曲のみが演奏される公演。 現代的なハーモニーの美を、じっくりと味わいたい。
34517:15〜

[曲目] ガーシュウィン:パリのアメリカ人
ミヨー:ニューヨークのフランス人

[出演] タタルスタン国立交響楽団 (オーケストラ)
アレクサンドル・スラドコフスキー (指揮者)

なにしろコンセプトの面白い公演だ。ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」と、ガーシュウィン生誕65周年に書かれたミヨーの「ニューヨークのフランス人」。半世紀以上離れた交換留学生のような2作品。響きの違いを楽しもう。
Evening
35619:15〜

[曲目] ドビュッシー:前奏曲集第2巻から オンディーヌ
ドビュッシー:前奏曲集第1巻から 沈める寺
ドビュッシー:「映像」第1集から 水の反映
ラヴェル:「鏡」から 海原の小舟
ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」から 月の光
アーン:「思い惑う夜鶯」から 冬模様
リスト:悲しみのゴンドラ
リスト:「2つの伝説」から 波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ

[出演] アンヌ・ケフェレック (ピアノ)

ここ何年か、作品と作品のつながりを非常に大切にプログラミングしているケフェレック。 曲間の拍手を排する構成なども、音楽への集中を促してくれる。今年もそんな親密な雰囲気で聴かせてくれるのだろうか。 「水」をテーマにした小品に耳を澄ませたい。
36720:30〜

[曲目] シューベルト:ハンガリー風のメロディー D817 ロ短調
メンデルスゾーン:無言歌集第1巻から ヴェネツィアの舟歌 op.19-6
メンデルスゾーン:無言歌集第2巻から ヴェネツィアの舟歌 op.30-6
グリーグ:4つのデンマーク語の歌 op.5
モーツァルト:鳥よ、年ごとに K.307
モーツァルト:寂しい森の中で K.308
ショパン:24の前奏曲 op.28 から 第15番「雨だれ」
ショパン/ボルデーゼ:ラ・マズルカ(マズルカ op.24-1歌曲版)
ショパン/ボルデーゼ:そり(マズルカ op.59-1歌曲版)
ショパン/ボルデーゼ:美しき日々(マズルカ op.59-3歌曲版)
ショパン/ボルデーゼ:水上の娘(バラード第2番 op.38歌曲版)

[出演] 天羽明恵 (ソプラノ)
川口成彦 (ピアニーノ)

最終公演の選択は、毎年とても迷う。 今年は最後に「ピアニーノ」という楽器のチャーミングな音色で締めくくることにしよう。 ショパンが愛したプレイエル社製の小型アップライトピアノ。演奏は第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールで第2位に輝き、話題となった川口成彦さん。 数々の作品とともに作曲家たちの旅の軌跡を辿りたい。

【飯田有抄 プロフィール】